大切な運営スタッフのスキルアップに
「人材開発支援助成金」
公開日:2019年07月09日
更新日:2019年07月09日

ネットショップ運営スタッフのスキルアップに使える助成金については「人材開発支援助成金」が該当します。これは「キャリア形成促進助成金」が、平成29年4月にリニューアルしたものです。細かに内容が変更となることはあったのですが、今回は助成金の名前自体も変更し「人材開発支援助成金」となりました。この助成金についてご紹介します。
「人材開発支援助成金」は
研修を行って受給できる助成金です
「人材開発支援助成金」は、先にご説明したように、キャリア形成促進助成金のリニューアル版となる助成制度です。人材開発助成金では「従業員の業務に関わる知識や技術向上のために職業訓練等を実施した場合」「人材育成に関する制度を導入・適用した場合」に支給される助成金です。行った訓練や制度導入にかかった費用に応じて助成金を受給することができます。従業員の能力向上や、人材育成を行うことで会社の生産性向上を目指します。
今回はこの助成金の中の、ネットショップスタッフに研修を行うと受給できる助成金として、「特定訓練コース」「一般訓練コース」について見ていきたいと思います。
- 特定訓練コース
以下に当てはまる訓練が「特定訓練コース」に該当します。
- 職業能力開発促進センター等が実施する在職者訓練(高度職業訓練)、事業分野別指針に定められた事項に関する訓練、専門実践教育訓練、生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等
- 採用5年以内で、35歳未満の若年労働者への訓練
- 熟練技能者の指導力強化、技能承継のための訓練、認定職業訓練
- 海外関連業務に従事する人材育成のための訓練
- 厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練
- 直近2年間に継続して正規雇用の経験のない中高年齢新規雇用者等(45歳以上)を対象としたOJT付き訓練
- 一般訓練コース
その他の訓練コース以外の訓練。
「特定訓練」「一般訓練」に対する助成額と助成率
厚生労働省のサイトから抜粋すると、以下の表のようになります。なお、ここに表記している訓練は職場外での教育訓練(集合研修・講習会・通信教育等の日常業務以外の教育訓練。「OFF-JT」とも言う)に限ります。
支給対象となる訓練 | 賃金助成(1人1時間当たり) | 経費助成 |
---|---|---|
①特定訓練コース | 760円(380円) | 45%(30%) |
②一般訓練コース | 380円 | 480円 |
この表に記載している助成については、適用される団体や訓練内容によって、助成される金額や助成率が変わります。また、1人あたりの助成限度額も変わります。適用年度によっても制度そのものが変更になる場合がありますので、申請を検討する場合は、必ず自身で最新の情報を取得するようにしてください。
関連サイトはこちら
訓練開始1ヶ月前には実施計画届を
提出しなくてはいけない
社内に「職業能力開発推進者」を専任し、「事業内職業能力開発計画」を策定する必要があります。これを制定してから「訓練実施計画届」を訓練実施1ヶ月前に提出しなくては認定されないので訓練実施前の事前準備が重要です。普通自動車(自動二輪)運転免許の取得のための研修や、接遇・マナー講習など社会人としての基礎的なスキルを習得するための研修は、受給対象となりませんのでご注意ください。また、eラーニングなど映像のみを視聴して行う研修も対象外となります。
まとめ
ネットショップスタッフ対象の研修に伴う助成金は、人材開発支援助成金の特定訓練コースと一般訓練コースであることをご理解いただけたかと思います。対象従業員が雇用保険に加入していることや、正規労働者(有期労働者ではない)であることが条件で、その他にも研修前に計画届を提出することや、対象になる研修内容も異なるため注意が必要です。申請前に厚生労働省のホームページでよく調べておく必要があります。
企業にとって研修を行うことは、正直お金が必要です。助成金は計画に伴い実施が必要であり、計画届や支給申請に関しても提出すべき書類が多くあります。決して楽ではありませんが、是非制度を上手く活用し、ネットショップ全体のレベルアップに繋げてみてください。