事例でみる3C分析のコツ
公開日:2018年08月08日
更新日:2018年08月08日

ネットショップ運営に際し、様々な視点より分析や評価を行う必要がありますが、世に多く知られているビジネスフレームワークの一つである「3C分析」について、詳しくご説明をいたします。
3C分析とは?
3C分析の3Cとは、以下の3つのキーワードの頭文字よりこのように呼ばれています。
・Customer=市場・顧客
・Competitor=競合
・Company=自社
自社と市場・顧客、ベンチマーク先含む競合環境を分析します。ネットショップ業界においても同様に分析を行うことで、現在の自身の立ち位置を客観的な視点より認識することができます。
Customer(市場・顧客)
~市場や顧客のニーズの変化を知る~
3Cの一つである市場・顧客において、着目しておきたい項目があります。
市場分析においては「マクロ分析:世の中の経済状況や商圏となる場所の人口推移がどのようになっていくかなどを分析する」と共に、「ミクロ分析:モール内のネットショップや他ECサイトに対して自社との競争関係や、販促拡大に向けての参入障壁の有無において認識を深める」ことを行います。顧客分析においては、顧客となるターゲット設定の精度向上やターゲットのニーズについてさらに深堀を行いましょう。
ネットショップの場合は、商品を購入する顧客を取り巻く市場環境について調査します。総務省統計局や、RESASが便利です。RESASは特定の地域・性別・年齢に関する産業構造や人口動態、人の流れなどの官民ビッグデータを集約し、可視化するシステムです。
次に市場規模に関する調査を行います。
まずは「市場規模マップ」を活用します。自社の市場規模を把握すると同時に、ライバルとなる市場規模も断片的に把握できるので商品の訴求ターゲットを広げることが可能になります。
商品に関しては、商品名検索で有効なキーワードの調査は絶対必要です。「キーワードウォッチャー」などを活用し、サイトに訪問するユーザーが興味・関心の高いキーワードをしっかり把握します。SEOやリスティング広告の見直しが可能になります。
Competitor(競合)
~競合が市場や顧客のニーズの変化にどのように
対応しているか知る~
競合の分析においてまず行うのが、ベンチマーク先となる複数のネットショップの抽出となります。抽出後に行う分析の内容は、そのネットショップの業績調査、その業績においての理由模索、市場での強みや弱みといった項目を抽出していきます。具体的な抽出および方法は次のポイントを参考にして下さい。
ユーザー目線で競合サイトをしっかり見る
PCだけではなく、スマホでもよく競合サイトを見ましょう。スマホサイトはインターフェースやUIなど、独特の工夫をしているケースが多いです。自社と比較して良い点は、自社サイトに導入できないか検討する必要があります。
実際に購入してみる
ユーザーとして以下の視点を持って競合の商品を実際に購入してみましょう
- 購入の過程でどこに魅力を感じたか?
- フォームの入力はしやすいか?
- 発送から到着までの期間はどうか?
- 届いたあとの使用感はどうか?
- 購入前の商品イメージと到着後のギャップはあるか?
- 購入後のDMや会員誌のキャンペーンは何をやっているか?
以上のような分析を行うことで競合の施策が丸裸になるので、良いところと悪いところを身をもって実感することができます。また、気がついた点は購入レポートを作成し記入します。
Company(自社)
~市場や顧客ニーズの変化に合わせ、競合の対応を鑑みながら、自社が成功する要因を見いだす~
自社分析においては競合分析と同じく、自社に対しての分析を行い、評価します。競合がすでに対応しており、自社として対応できていないものの抽出や、逆に自社が対応でき、競合が対応していない(できない)ものも抽出しておくと良いでしょう。
今まで行った「市場」や「競合」の分析をしっかり行うことで「自社」の分析がしっかりできます。競合他社では提供できない価値、もしくはそれを可能にする経営資源は何か。 ノウハウ、技術、設備、組織、理念などの「強み」が明確になるのです。
ネットショップ運営者が認識しておくべき
3C分析の評価について
3C分析を行った後は、多くの気付きや認識を得ることができますが、その分析の評価において、今後どのような施策を行っていくかが非常に重要です。改善項目のピックアップが行えたら、その項目をいつまでに対応完了させるかなどのスケジューリングを確実に行い、日々のタスク業務に落としこんでいきましょう。
まとめ
これらの分析を踏まえると、これから行うべき施策として多くの答えが抽出できるはずです。ネットショップ運営に必要な、誰をターゲットに、競合店との差別化の中でどんな商品提案を行っていくかが明確になっていくでしょう。それに対し、自身のネットショップの状態を見直すことで、多くの気付きを得ることができるでしょう。結果として、今までに無かった視点からの対策を行っていくことで更なる売上の拡大が見込めるかと思います。