【越境EC運営者の基礎知識】
海外で普及している
決済システム

公開日:2023年03月29日

更新日:2023年03月29日

越境ECビジネスでは、その国に普及している決済方法を知り、選択できるようにすることが必要です。
欧米や中国等ではどんな決済方法が一般的でポピュラーなのか、それぞれの違いを見てみましょう。

決済方法選定の重要性

越境ECビジネスでは、商品販売先の対象となる国ごとに適した決済方法を選定することで購入率の向上やカゴ落ちリスクの軽減が見込めます。普及している決済方法は国によって異なるため、日本国内のEC運営と同じ感覚で考えていると最初は戸惑うかもしれません。

国によっては銀行口座の開設率が低い国、流通網の仕組みが日本とは異なっていて代引決済等のサービスが普及していない国もあります。対象とする国ではどのような決済方法が利用されているのかをよく調べ、その中から導入する決済方法を選んでいきましょう。

世界的に使われている決済方法

世界的によく使われている決済方法には、次のものがあります。

クレジットカード

日本でも馴染みのあるクレジットカードは、欧米では日常のリアルショッピングでもよく使用されています。ネットショップの決済方法としては、韓国やイギリスではよく利用される決済方法であり、フランスでも比較的よく利用されています。

デビットカード

クレジットカードとともにデビットカードがよく利用される国も、多くあります。フランスではCarte Bleue(カルト・ブルー)という、銀行が発行しているキャッシュカードとデビットカード機能を兼ね備えたカードが普及しています。

PayPal(ペイパル)

アメリカ発のID決済サービスで、PayPal社が提供しています。PayPalアカウントは開設時に登録を行うメールアドレスに紐づけられており、金銭の授受はPayPal社が仲介して行います。実際の決済は対応しているクレジットカードで行われることがほとんどですが、相手にクレジットカード情報を伝える必要がないことから安全性が高い仕組みとして普及しました。アメリカやフランス、イギリス、香港でもよく利用されています。

中国でよく使われている決済方法

中国では、欧米とはまた違う決済方法がよく利用されています。中国における二大決済と言えば次の二つを指します。

銀聯(ぎんれん)カード決済

日本の家電量販店等でも、「銀聯」のロゴマークを見かけることがあります。銀聯は中国国内の銀行を結ぶ決済ネットワークのことです。中国人民銀行(中国の中央銀行にあたる銀行)の主導で設立された中国銀聯が運営しており、中国の銀行が発行するキャッシュカードには大抵、この銀聯のロゴマークがプリントされています。その機能は、中国のデビットカードと言って良いでしょう。 銀聯カードの発行枚数は世界一の60億枚とも言われており、今は中国以外にも使える国が増えてきています。

Alipay (アリペイ)決済

銀聯と同等のシェアを占めているのがAlipayです。運営しているのは中国最大のIT企業であるアリババグループです。AlipayはアメリカのPayPalに近い仕組みを採用しています。ただし、中国ではクレジットカードが普及していないので、あくまで現金によって決済が行われ、消費者はネットで商品を購入するとその代金をAlipayに支払います。Alipayは商品が届いたことを消費者からの連絡で知ると、代金をオンラインショップに支払います。

またAlipayはリアル店舗でも、使用されています。ただし、Alipayにカードは存在せず、ネットバンキングやチャージカード等を使ってお金をチャージして、その後スマートフォンアプリを使って決済をすることができるようになります。

決済代行会社の外貨決済サービスを利用すると便利

越境ECでクレジットカード決済を導入する場合には、各国のカード会社とそれぞれ契約し、システム接続を行うのは非常にハードルが高いものです。一方、決済代行会社と契約を行うことで、銀聯、Alipay等といった複数の決済方法もまとめて利用可能な環境にすることが可能です。安全かつ、効率良く導入時のハードルも低く抑えることができます。

各国通貨に対応したクレジットカード決済を利用すれば、海外ユーザーは為替変動や手数料を気にすることなく自国発行のカードを利用して、米ドル(USD)等の自国通貨による決済が可能となり、購入率の向上やカゴ落ちリスクの軽減が見込めます。

まとめ

このように越境ECビジネスの決済方法選定においては、その国に適した決済方法を事前に認識しその環境をきちんと準備することで、購入率の向上やカゴ落ちリスクを低減することが見込めます。

しかし、注意点ももちろんあります。決済方法によっては、海外での決済時に特別な限度額が設定されており、商品購入時の決済が完了できないといったケースもあることは事前に想定しておく必要があります。また、為替変動による決済額変動の可能性、関税の支払いについて等もページ上にわかりやすく明示しておき、トラブルを未然に防ぐ仕組み作りを行っておくようにしましょう。

ソニーペイメントサービスでは、外貨決済代行サービス導入サポートを行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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