自社越境ECで売り上げアップにつながる決済戦略・最適解とは?
公開日:2025年04月21日
更新日:2025年04月21日

こんにちは!世界へボカンの徳田です。
これまで越境EC・海外Webマーケティングを18年ほど支援させていただいております。これまで越境ECのグロースハック支援で月商40万円の抹茶販売越境ECサイトを5000万円まで導いたり、年商34億円の中古車越境ECを1000億円までに伸ばす等、数多くの実績を残してきております。
本記事は、
「越境ECで商品を販売しているが、決済での離脱が多い」
「海外ユーザーの決済手段の最適解が分からない」
「越境ECの売上を伸ばすヒントが欲しい」
とお考えの方向けの内容です。
突然ですが、あなたは海外の独自ドメインのECから商品を購入したことはありますか?もし、購入したことがあるのでしたら、そのときにどういったことを考え、そのサイトを選んだかを思い出してください。私は、先日、タイのサイトからムエタイパンツを購入したのですが、そのサイトから購入する際も配送、決済、関税といった不安を抱えたまま、購入に至りました。
それだけ越境EC売上げを伸ばしていくうえで、海外の顧客の不安を払しょくすることが最も重要だということです。不安を払しょくするためには、UI/UX、言語、配送、決済、関税、コンテンツ等、様々な要素をカバーする必要があります。
特に決済は購買直前で必ずユーザーが直面する重要なステップです。彼らが決済しようとしているときに普段使用している決済手段がなかったり、不安をぬぐい切れなければ、離脱してしまいます。競合が貴社と同じ製品を取り扱っていたとして、決済手段のオプションが豊富であれば多少割高になっても、自分が普段使用している決済手段を持つ企業から購入するユーザーもいるでしょう。そこで今回は売上アップにつながる決済戦略・最適化についてお伝えします。
海外ユーザーは独自ドメインのECサイトを基本信用していない
日本にも徐々にフェイクサイトが増えてきていますが、海外はその比ではありません。人口が3億4000万人を超え、越境ECで最も購買力のある国の一つである米国でもECにまつわる詐欺被害は広がっています。
Juniper Researchによると、米国はECにまつわる詐欺被害の受けやすい国であり、消費者のおよそ34%の方が「詐欺の被害に遭った可能性が高い」と回答しています(※1.1、※1.2)。こういった背景もあり、AmazonやeBay等のモールではなく、ShopifyやMagentoといったカートを使用した独自ドメインのサイトから商品を購入することに警戒心を持つ消費者が多いです。
また、Baymard Instituteによると、過去17年間に各社より発表されたデータから算出した世界平均のカゴ落ち率は7割という調査結果が発表されています(※2)。越境ECとなるとこの数値を優に上回り、私たちのクライアントでも商材の価格によっては顧客の警戒心をさらに高め、カート落ち率が8割、9割を超えるものもあります。
それだけ越境ECで買い物をする際には不安があるということです。About Usコンテンツの充実、返品ポリシーの記載、サイト内の英語の校正等で少しずつ不安を払しょくすることができますが、最も不安を払しょくすることができる施策が決済周りの施策になります。それでは次はどのように決済手段で不安を払しょくしていくかを解説していきます。
PayPalは北米の顧客の不安払しょくをする
北米向けの越境ECで顧客の初回訪問の背中を後押しする手段としてはPayPalは欠かせません。越境ECサイトの決済にPayPalを使用することで顧客はそのままカートや銀行振込で支払を行うより安全に決済を済ませることができます。

売り手に決済情報を伝えずに商品やサービスを購入できる
何故、安全に決済を済ませることができるかというと売り手に決済情報を知らせることなく商品やサービスを購入できるからです。
これにより、「この越境ECサイトがフェイクサイトなのではないか?」であったり、「このサイトに登録された決済情報が流出してしまったらどうしよう?」といった不安を払しょくし、はじめて訪れた越境ECサイトでの購買の背中を押すポイントとなるでしょう。
特に情報漏えいが多い昨今、複数のEC事業者にクレジットカード情報を渡すことを良く思わない方が多く、多少、決済手数料が高くなったとしてもPayPalで一元管理したいと考える人が多いことを知っておくと良いでしょう。
少し古い調査データですが、2018年のIpsosの調査(※3)によると、
- 馴染みのないサイトで購買をするときPayPalを導入していると54%が購買意欲が高まる
- PayPalユーザーの59%がPayPalが利用できないために取引を途中で放棄した経験がある
- 25%の人は、自分の希望する決済方法が利用できないために取引を中止した
- 62%の顧客が越境ECの決済時にPayPalがあることで購買意欲が高まる
- 企業は、消費者が好む決済方法を提供することで信頼を築くことができる。44%の消費者は、希望する決済方法が利用可能であり、決済プロセスが適切であると事前に分かっている場合、その企業を信頼し、購入する可能性が高まる。
というデータを発表しています。
それだけはじめて訪れる越境ECサイトでは、顧客は警戒しており、その警戒を払しょくしてあげるための決済ソリューションは重要だということです。弊社でもブランドがまだ認知されていない越境ECサイトのマーケティングをさせていただく際は、PayPalの導入を提案しております。
尚、常に海外顧客がPayPalを使用していると言えばそうではなく、初回購入時は警戒してPayPalを使用するものの、一度、購買体験をした後は警戒が解かれ、他の決済手段で購買するということも少なくありません。

PayPalの買い手保護制度
また、PayPalには買い手保護制度があります。これはオンラインショッピングで
「代金を支払ったのに商品が届かなった」
「全く違う商品が届いた」
といったトラブルがあった際に、条件を満たせば金額が保護されるものです。

ターゲット国に応じた決済手段を設けることが購買意欲を高める
日本人のユーザーがPayPayで決済を行うのに慣れ親しんでいるように国やエリアに応じた決済手段があります。
ヨーロッパでは使用されている決済手段が異なる
例えば、オランダではiDeal、ドイツでは直接銀行口座から引き落とす「直払い」(Lastschrift)が一般的です(※4)。以下のヨーロッパの国別の決済手段を見てみても国毎に異なる決済方法を好んで使用していることが分かります。

それぞれの国のユーザーが普段使用している決済手段を導入することは不安を払しょくし、購買をスムーズに進める要因になりますので、ターゲット国に応じた決済手段の導入を検討しましょう。
中国圏向け越境ECを始める場合、銀聯カードは外せない
Ipsosの調査をもとに「企業は、消費者が好む決済方法を提供することで信頼を築くことができる。」とお伝えしましたが、これは英語圏の中だけの話ではなく、日本から中国向けに越境ECを展開していく場合でも同じです。そして、中国語圏向けに越境ECを展開する場合、銀聯カードは外せません。
下の図をご覧ください。日本から中国への越境ECの市場は年々伸びてきており、10年前と比較すると、およそ20倍の市場規模となっています。

(https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf)を加工して作成
そして、これまで中国越境ECはモールを中心に考えられていましたが、独自ドメインを使用した越境ECも徐々に増えてきています。こういったときに中華圏、東南アジアに強いカートであるSHOPLINEは中国のグレートファイヤーウォールを通り抜け販売できるSHOPLINEと銀聯カードの組み合わせで中国越境ECに挑戦する場合は欠かせません。
分割払いが購入のハードルを下げる
越境ECで3万円以上の商材を販売する際、BNPL(後払い)や分割払いができる決済手段を導入することは成約率を上げる大きなポイントです。実際、クレジットカード会社に連絡をすれば、たいていのカードで分割払いに変更はできますが、ECサイトの決済画面上で分割払いが選択できることに意味があります。
ある中古ブランド品を販売するサイトの支援をしていた際は、分割払いオプションのある決済手段を導入したところ、成約率が2倍以上に上がりました。
BNPL・分割払いを導入するメリット
その他にも分割払いオプションがもたらすメリットは以下のようなものがあります。
- 新規顧客層の拡大
クレジットカードを持たない若年層も分割払いで支払うことができるようになり、若年層の獲得も可能になります。 - 価格に対する感覚の変化
分割払いにすることで総額よりも月々の支払額に着目し易くなり、価格に対する感覚が変化していきます。購入時のためらいが減り、購買に繋がりやすくなります。
Journal of Marketing に掲載された研究によると、BNPLを利用することで消費者は「経済的負担が軽減された」と感じやすくなり、支出に対する心理的ハードルが下がる傾向があります(※5)。 - 衝動買いを促進
全額をすぐに支払う必要がないため、計画外の購入(衝動買い)が増えます。 - 支払額の増加
BNPLは即時の金銭的負担を軽減するため、高額な商品も手が届きやすくなります。通常時に購入するグレードよりも上のグレードを購買する可能性があります。
Imperial College Business Schoolによると、BNPLを導入することで消費者の消費額が10%上昇するという調査データを発表していました(※6)
BNPLを導入することのデメリット
- 過剰な支出や債務の増加
分割払いを重ねることで、返済が困難になる可能性がある - 返品率の上昇
購入時に金銭的負担が少ないため、簡単に返品されるケースが増える。
上述のようにBNPLを導入することは、メリットだけでなく、多少のデメリットもあります。これらの情報を鑑みて、BNPL、分割払いの導入を検討しましょう!
結論:決済を制するものが越境ECを制する
このように自社越境EC周りの決済と一言でいっても決済サードパーティプロバイダのPayPal、BNPL・分割払い、国に応じた決済手段の導入等、工夫できるポイントは多数あります。これらの決済手段を導入した際は、きちんと顧客にその旨が伝わるようにフッターやFAQに使用可能な決済手段を明記することも忘れてはなりません。

決済は購買の最終ステップなので、ここで離脱されてしまってはどんなに集客にお金をかけても水の泡になってしまいます。商材の価格や対象国に応じて取るべき施策の優先順位は変わってきますので、本記事を参考にし、自社越境ECの売上を最大化するために何をするべきかを検討してみてください。
※1.1. ※1.2. ※2. ※3. ※4. ※5. ※6.