非正規社員を正社員化する際の
「キャリアアップ助成金」とは
公開日:2019年07月09日
更新日:2019年07月09日

厚生労働省の助成金の1つで「キャリアアップ助成金」があります。これはアルバイト・パート社員など、非正規雇用社員を正規雇用する際に活用できる助成金です。ここではどのような助成金なのかを紹介します。
転換してから申請しても助成金はもらえません
「キャリアアップ助成金」に関してはまず「キャリアアップ計画」を策定して、労働局に計画認定をもらわないと助成金申請はできません。また、労働規則に正社員転換の規定がない場合は就業規則の改定が必要で、これも労働局に認定してもらう必要があるのです。また、キャリアアップ計画を立案する際には、キャリアアップ管理者を1名以上配置する必要があります。このキャリアアップ管理者が策定したキャリアアップ計画の認定が無いことには助成金の申請ができません。
正社員転換してから必要な書類
助成金の対象となる社員の方の「転換後6ヶ月の賃金の支払の証憑となる賃金台帳のコピー」や、「正社員として勤務していた証憑として6ヶ月分のタイムカードや出勤簿のコピー」の提出などが必要になります。
また、正社員転換後の賃金は、転換前と比較して5%以上増額していないと認定されません。
ただ支給申請書を1枚持って行けば良いのではなく、添付書類として上記の他にも、「助成金の対象となる社員の方の雇用契約書」や「正社員登用のルールが定められた就業規則の写し」も提出することになります。
このように準備する書類や証憑がかなりのボリュームとなります。また、申請者が今でも多い助成金ですので、書類審査は極めて厳しく、些細な書類の記入間違いでも再提出となりますので細心の注意が必要です。
助成金支給申請のタイミング
正社員転換後、6ヶ月分の給与支払が終わってようやく支給申請ができます。
申請してから審査結果の連絡があるまで約3~4ヶ月を要します。また、審査通過後、助成金が入金されるまで、さらに3~4ヶ月を要します。以上より、申請準備から助成金の入金まで、ざっと1年越しの長期スケジュールとなります。このように入金まで時間がかかる長期スケジュールですので、助成金支給申請するタイミングを忘れるケースも非常に多いです。また当然ですが正社員転換後6ヶ月以内に該当従業員が退職した場合は、助成金支給申請はできません。