大手EC事業者も動き出す!オムニチャネル化とは
公開日:2018年03月29日
更新日:2018年03月29日

スマートフォンの浸透で消費者行動が変化する中、オムニチャネル化を進める企業が増えてきました。
ネットショップを運営すると同時に実店舗を所有する企業が注目し、実現に乗り出しているオムニチャネルについて、今回はその意味や背景をご紹介します。
オムニチャネル化とは
オムニチャネル化とは、簡単に言えば実店舗とネットショップ等のあらゆるチャネルでの販売を統合することや、あらゆるチャネルを通じて顧客とのコミュニケーションを図ることを言います。他にカタログ通販、テレビ通販、ダイレクトメール、SNSでの販売などを含めることもあります。小売業者がECに参入してネットショップを持つケース、あるいは大手ECモールがネットショップだけでなく実店舗の経営にも乗り出して販売方法を増やすケースの両方があります。
オムニチャネルとマルチチャネルとの違い
オムニチャネルに似た用語にマルチチャネルがあります。
そもそもチャネル(channel)とは、マーケティング用語では商品を消費者に届ける流通経路(流通チャネル)、あるいは消費者との接点(販売チャネル)のことを指します。
マルチチャネルとは、商品を販売する企業などが、実店舗やネットショップをはじめとする販売チャネルを増やすことを言います。ただ、このマルチチャネルには在庫管理が難しいという問題がつきまといます。実店舗とネットショップで共通の在庫を持つとなれば、両者あるいはそれ以上のチャネル間で、リアルタイムに在庫を連動させることが実現できれば最も効率的ですが、現実はそれぞれの在庫を切り離して管理を行うっているというケースも多く存在します。
この課題はネットワークを使った在庫管理システムや顧客管理システムを導入し、一元管理することで解決できます。このように全てのチャネルを統合して、あらゆる場所で顧客との接点を取れる状態を、オムニチャネルと呼びます。オムニチャネルでは、利用者は多様化したチャネルの違いをまったく意識することなく商品を購入し、サービスを利用します。
オムニとは英語の接頭語「Omni-」のことであり、「すべての」という意味を持ちます。つまり言い換えればオムニチャネルとは、実店舗やネットショップなどあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合し、多くの導線を設ける事によって利用者がどの販売チャネルからも同じように(シームレスに)商品を購入できる環境を作り上げることです。
オムニチャネル化の背景
オムニチャネルはなぜ注目されるようになったのか、その背景を2つ挙げてみましょう。
消費行動の多様化
現在ではユーザーはスマートフォンなど多様なデバイスを使って商品に関する情報を検索します。SNSによる情報のシェアから商品について知り、購入への動機を得ることもあります。実店舗のみを主要チャネルとしていたのでは、そうした消費行動の多様化に対応できないことは明らかでしょう。
実店舗で商品を買った人がSNSで商品についてコメントし、それを読んだ人がネットで検索し商品を購入する……小売業者はこうした状況に対応することで露出や拡散効果が期待でき、販売機会の損失を防ぐことができます。
小売りの来店促進とショールーミング促進の活発化
オムニチャネル化のもうひとつの背景は、ショールーミングです。ショールーミングとは実店舗で商品を手に取って見定めたユーザーが、その実店舗ではなくネットショップで商品購入を行うという消費行動のことです。また逆に、ネットで調べてから実店舗で実物を見て買うという方法がとられることもあります。
前者の場合、ネットショップでの購入を阻止するのではなく、むしろ促進する(ネットショップでの購入方法も実店舗で紹介するなど)ことで全体の利益を上げられる可能性があります。後者の場合、ネットショップ上で実店舗の在庫状況が確認できる状態にあれば便利でしょう。これらはオムニチャネル化で実現できます。また、ネットショップで購入した後、実店舗に足を運び商品を受け取るといったサービスも可能です。
まとめ
実店舗とネットショップのデータ連携を実現させるには、オムニチャネルに対応したショッピングカートシステムの導入が欠かせません。「ebisumart」や「Orange-EC(オレンジEC)」などの拡張性・汎用性の高いネットショップ構築パッケージの導入を行い、オムニチャネルに強いショッピングカートシステムを組み込んだネットショップを構築することを、ぜひご検討ください。