ネットショップの売上増加に向けた絞り込み戦略とは
公開日:2018年03月29日
更新日:2018年03月29日

中小規模のネットショップが成功を収める為には、ECサイトの立ち上げ時から基本となるコンセプトや戦略を固めておくことが重要です。
その基本的な方針になりうるのが「絞り込み戦略」です。
今回は、絞り込み戦略のメリットやその方法についてご紹介します。
中小規模のネットショップが置かれている状況
2017年、ECの市場規模(BtoC)は15兆円を超え、ECは国内における貴重な成長産業の一つと捉えられています。しかし一方でメーカーの直販サイトや資本力を持つ大手企業、広域にチェーン展開する小売店などの参入により、市場競争は激化の一途にあるとも言えます。とくに中小規模のネットショップは苦戦を強いられているというのが偽らざる現状でしょう。
中小規模の事業者がネットショップ運営で勝機を見出し、成功を収めていく為には、中小企業ならではの特徴を活かしたなんらかの戦略が必要な時代となっています。
絞り込み戦略を取るメリット
その一つがここで取り上げる絞り込み戦略です。中小規模のネットショップにとってそれはどのようなメリットをもたらすのかをご説明します。
資源最適化ができる
中小規模のネットショップが、あらゆる種類の商品を網羅して販売しようとするのは無理があります。仕入れ規模の大きな大手企業にはなかなか太刀打ちできません。
目指すべきは逆に、大手企業が特化しにくい特定分野・優良商品だけをセレクトして売る専門店化です。「選択と集中」によって扱う商品を絞り込むことで、より専門的な運営が行え、さらにニッチな利用者に認知が拡大していくことによるリピート購入も見込め、製造や在庫の管理が簡素化され、資源の最適化につながるといった、非常に効率的な運営を行う流れを作ることができます。
価格競争に強くなる
商品を絞り込んで品揃えを固定化できれば、価格競争でも有利な状況を作れます。ある程度の仕入れ規模を保ちつつ仕入先との関係を密にしていけば、製造原価や仕入れ価格を抑えることも可能となるでしょう。
ただし、競合との価格競争に巻き込まれることは決して好ましい状況ではありません。限られた商品に集中・特化することで、他のネットショップが参入しにくい商品環境を作り、過剰な価格競争を回避することが目指すべき方向性だということを覚えておきましょう。
商品をはっきりユーザーに説明できる
商品、ターゲット、用途を絞り込むことで、ユーザーに対してわかりやすく、より専門的かつターゲットに対してダイレクトな訴求が行える商品説明ができるようになります。サイトの見せ方もシンプルにできるでしょう。結果、ユーザーが理解しやすく、利用しやすいサイトを構築することができます。逆に言えば、専門店化していることが感じられず、サイトを訪れた人に集中・特化していることがはっきりと伝わらなければ、絞り込み戦略を行う意味がありません。
絞り込み戦略の例
絞り込み戦略にはどのような方法があるのか、実例を見てみましょう。
ターゲットを絞った商品
ターゲットを40代の女性のみに絞った「40代の化粧品」などが考えられます。実際に40代で自分に合った化粧品を探している人にとって、大型ショッピングモールなどで目的の化粧品を検索し、比較し、選ぶのは面倒な作業と感じる方も多いでしょう。最初からターゲットを絞った商品のみ売っているECサイトがあれば、そのほうが便利で、濃い情報も得られます。
ほかにも、「調理師用のはさみ」専門店のように、業種を絞ることや、プロ視点からターゲットを絞る方法もあります。
地域で絞った商品
「北海道限定」や「南九州産」など、地域で絞り込んだ商品のみを扱うネットショップも人気です。最寄りの実店舗で簡単には買えず、他の大手ネットショップやショッピングモールで取り扱っているかどうかも、少なくともユーザーにとっては定かではない商品です。産地等に集中、特化させていくことにより、あのネットショップに行けばあの地域の商品が買えるという意識も植え付けられ、認知度が向上していくことにより、リピーターも付きやすくなるはずです。
まとめ
大手企業と比較した場合、中小規模のネットショップはある商品やジャンルに特化しやすく専門店化しやすいなど、大手企業にはなかなか実現できない小回りが利くという強みがあります。絞り込み戦略はその強みを生かして売上増加を実現できる方法です。誰に対して、なにをどう売るのかを考え、ファンやリピーターを多く生み出す個性的なネットショップを作り上げてみてはいかがでしょうか。