事例でみる4P分析のコツ
公開日:2018年08月08日
更新日:2018年08月08日

ネットショップ運営を行ううえで、商品の販売戦略フレームワークには「4P分析」を行うことが大変有効です。
ここでは、ネットショップ運営者が認識しておくべき4P分析について、具体的な進め方を詳しくご説明いたします。
4P分析とは
4P分析とは4つの分析項目で構成されており、以下の4項目において、分析評価を行います。
・Product=製品
・Price=価格
・Place=流通
・Promotion=販売促進
ネットショップ運営者として商品の販売を行う売り手目線から、それぞれの強みや弱みの比較を行います。
Product(製品)
品質、デザイン、特徴、ブランド名、パッケージ、大きさ、サービスなどが該当します。自身のネットショップで販売している商品において、商品そのものに対してどのような強みがあるのか、また商品の販売にあたり販売先となる利用者に対してどのような強みがあるのか、また弱みとしてはどのようなことが考えられるかの抽出を行います。また販売を行う商品の仕入れ力においても、競合先と比較した場合の強みや弱みの抽出を行います。販売する商品において、その品質やデザイン、ブランド力などにおいても比較を行う必要があるでしょう。
ここでは高級焼き菓子詰め合わせを販売するネットショップを例にしましょう。
- 当社製品Aは他社製品Bより高価な材料を取り寄せて使うため高品質である。
- Aのパッケージは他社商品より目立つ、存在感がある奇抜なデザインにする。
- 他社製品Bは18個詰め合わせだが、当社商品Aは一つひとつが大きいので12個詰め合わせとする。
これらを踏まえて、自社はどのような商品販売の展開を行うかを検討します。
Price(価格)
希望価格、値引き、割引、優遇条件、支払期限、決済条件などが該当します。
ネットショップ運営に際し同商品や同ジャンル商品においての価格競争力は利用者からすると一番分かりやすい指標となります。取り扱う商品において、販売価格と粗利益のバランスを見据えた上で、薄利であっても売上や在庫回転率の良さでカバーする方法や、他のネットショップでは販売していない商品だからこその価値を訴求し、販売価格の設定においてイニシアチブをとるなどの施策を検討してみると良いでしょう。また、企業努力を行い割引設定やポイント施策など、利用者に対してメリットを生み出すことができれば、更に業績拡大が見込めるでしょう。
ブランド商品であれば、販売価格が高額でも高級品としての価値があるので通用します。当然ですが、価格戦略はProductと密接な関係にあります。先程の例の場合ですと次のようになります。
- 当社製品Aは高級志向顧客がターゲットなので値引き販売をしない。
- 当社製品Aは高級品なので販売個数を限定する。
- 当社製品Aは購入者に特別感・優越感をイメージさせる価格戦略を行う。
Place(流通)
販売チャネル、運送、流通、範囲、場所、品揃えなどが該当します。
ここまで製品が製造され、手頃な価格を設定した…でも顧客が購入できる場所がないもしくは見つけられないとなったら失敗に終わります。そこで流通に関わるそのネットショップが持つ力を抽出してみましょう。販売チャネルの多さや、電話やFAXなどでも商品購入が可能か、オムニチャネル展開を採用しているかなど、そのネットショプがどれだけ販売の間口が広いかを抽出評価してみます。また、販売商品の種類の多さや在庫スペースの確保などの販売機会に直結する部分となりますので、現在の流通過程の見直しや事業拡大に向けての計画においてのキッカケづくりとなるでしょう。
Promotion(販売促進)
広報、広告、販売促進、人的販売などが該当します。
顧客が製品・サービスを購買するにあたり、存在を認知してもらう必要があります。また、製品・サービスの存在を認知したとしても、その製品・サービスが何の役に立つのか、用途を知らなければ購入をしようとは考えないでしょう。そこで、自身のネットショップを利用してもらうために行うプロモーションにおいての現状分析を行います。
イベントや特集ページ、そしてランディングページなど、お店や商品の魅力をしっかりと伝えているか、また伝える、気付かせる努力をしているかといった視点での分析を行います。他の項目としては、優先順位が後になりがちなSEO対策のチューニング(上位表示を実現するための施策)や有効キーワード調査、各広告の運用状況といった視点からの分析も行います。自身のネットショップを認知してもらう方法において、ポータルサイトへの登録や、SNS運用、アフィリエイト運用といった視点からもベストな施策を抽出し、今後の課題としていくと良いでしょう。
まとめ
4P分析を行うことで、実際に商品の販売者となるネットショップ運営者はそれぞれのPについての矛盾を感じ、それぞれのPに対してバランスを整えることにより、売上の拡大が行える戦略の策定が可能となってきます。4P分析を通じて、自身のネットショップと向き合い、分析をしなければつかめなかった沢山の発見をしてください。