過剰在庫のリスクと削減方法とは

公開日:2022年10月24日

更新日:2022年10月24日

小売業において過剰在庫は非常に大きなリスクとなります。
ではその過剰在庫を減らすためにはどのような対策や調整が必要なのでしょうか。
今回は過剰在庫の削減方法についてご紹介します。

過剰在庫のリスク

まず、過剰在庫のリスクとはどのようなものか整理してみましょう。

過剰在庫とは需要以上に仕入れた商品が販売されぬまま倉庫等に置かれたままになっている状態のことを言います。それらは簡単に言えば売れ残り商品です。そのまま保管を続けていればいるほど品質は劣化し、あるいは商品が時代遅れになって陳腐化します。さらに、保管スペースは圧迫され、管理費用もかさんでいきます。

また、過剰在庫は企業のキャッシュフローも悪化させます。在庫を過剰に抱えることは現金が減り、企業の資金繰りを圧迫することを意味します。資産を在庫として固定化し不良在庫化すると、そこからの利益は得られず、コストや金利の負担ばかりが増えていきます。粗利率の低い商品が多ければ企業の経営は悪化し、最悪、黒字倒産へ至ることも考えられます。

過剰在庫になる商品の例

過剰在庫になりやすい商品にはどのようなものがあるのでしょうか。いくつか例を見てみましょう。

サイズ別の商品

サイズのある商品では特定サイズだけが売れ残ることがあります。例えば衣類であれば極端に小さいサイズと大きいサイズはそれほど売れない傾向にあるでしょう。アイテム自体の売れ行きが良くないときほど、一部のサイズは過剰在庫になりやすい傾向にあります。同じアイテムでカラーバリエーションが多いときも同様の現象が起きます。

季節もの商品

季節ものの商品は定番商品と違い需要予測が難しく、大量に仕入れた結果、想定よりも売れずに季節が過ぎてしまい、そのまま不良在庫化することがあります。前年の売上データがあれば調整ができますが、そうでない場合は読みや勘に頼ることで過剰在庫になりがちです。これまで扱ったことのないジャンルの商品、新商品についても似たことが言えます。

圧倒的な競合がいて売れなかった商品

一定の需要があった商品でも、強力な競合商品が現れて一気に売上が落ちてしまうことがあります。売れると見込んだ新商品も、既存の圧倒的競合商品に太刀打ちできず、敗北を喫することもあるでしょう。

過剰在庫を削減するために

在庫数量を決めるには商品の需要量、調達期間、回転率、安全在庫量等をもとにした在庫計算を行っているはずです。しかしそれでも過剰在庫が生じてしまうことはめずらしいことではありません。

計算式は一般化されたものであり、実際には商品特性やターゲット、販売方法、市場の動向等によってディテールが異なるためです。計算で得られた数字と実態にギャップがある場合は、その調整を行わなければなりません。どのような調整を行えば過剰在庫を削減できるのかが分かってくれば、それが自社の在庫管理ノウハウになります。

また、売れない商品とはどのような商品なのかを正確に把握することも重要です。売れる商品を探すのはどこでもやっていることですが、売れない商品の分析を行い、可視化することにも十分な労力を注ぐべきです。過剰在庫となる商品の種類や傾向が分かっていれば、事前に少なからず過剰在庫を防止できるでしょう。

過剰在庫が出てしまった場合の対処法

それでも過剰在庫が生じてしまったときの対処法にはいくつか方法があります。中でもオーソドックスなのは値下げして販売することです。在庫セール等の催事で売れば、在庫として保持していた資産の何割かは現金化できることになります。

ただし、廉価販売をあまり頻繁に行うとブランドイメージが落ちますし、催事には経費がかかるというデメリットもあります。また定期的なセールは利用者の買い控えを招き、忙しくなるのはセールの時期だけという良くないサイクルが形成されるリスクもあります。

そこで廉価販売ではなく、廃棄処分でもない選択として、在庫処分会社を利用する方法もあります。商品の種類によっては比較的高値で在庫を買い取ってくれます。買い取られた商品はその業者が独自の販売ルートを使って売ることが多いため、どこにどのような形で流通するか分からないというデメリットと、在庫処分会社の中には足元を見て買い叩くようなところもあるので、信頼できる業者なのかをよく見極めることが必要です。

まとめ

過剰在庫は常に削減するための工夫をすること、それでも過剰在庫が出てしまったときの対処法を用意しておくことが大切です。自社商品の特性を熟知し、少しでもリスクを軽減できるような体制を構築していきましょう。

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