取り扱う商品ジャンルの特性
~ファッション、アパレル編~
公開日:2023年03月29日
更新日:2023年03月29日

ネットショップ運営を行う際に、最も難しい分野と言われているのがファッション・アパレル分野です。
理由はいくつかありますが、この業界ならではの販売政策や、商品販売サイクルといった他の商材とは明らかに違う部分があることを認識した上でのネットショップ運営が必要です。
短い販売サイクルに対応できる
ネットショップ運営が必要
アパレル業界には明らかな繁忙期と閑散期があり、また春物と秋物といった年を半分に分ける訴求スタイルは実店舗でも一緒ですが、これはファッション・アパレル業界独特のものだと思います。
販売サイクルは、特にアパレルECは1ヶ月半ごとにMD計画(品揃え、商品化計画)を立てるブランドも多くなってきている等、他の業界と比べて販売サイクルが極端に短いのが特徴です。特にブランド婦人服は性別や年齢だけでなくスタイルやテイスト等を考慮したMD計画が立案・実行されるので更に販売サイクルは短期になります。その短期の間にアパレルメーカーは企画・生産・販売を行い、商品を完売させないといけない状態にあります。売れなかった商品は不良在庫となり、価格を大きく下げてバーゲン等で処理されます。つまり定価でかつ短期間で商品を完売するには、商品を置いておけば勝手に売れるといった方法は通用しません。
多様化するユーザーに
どのような情報を届けるかがポイント
現在は数年前と違って、ECサイトに商品を並べているだけでは売れない時代になりました。特にファッション・アパレルECはこの現象が顕著に表れています。そこで必要なのがコンテンツマーケティングです。コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値あるコンテンツの制作・発信を行い見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。ファッション・アパレルのECサイトは、これからは1つのメディアと捉え、ファンを生み出して育てていく取り組みが必要になっているのです。では具体的にはどういった手法が有効なのでしょうか?
基本的方針は、ECサイトの方向性を明確にした上で、セールスポイントをしっかり打ち出すことが重要です。またコンテンツの継続発信も必須条件です。このコンテンツの継続発信に有効なのがSNSサービスなのです。Facebook、twitter、LINEといったSNSサービスを活用し、サイトにユーザーを引き込み、アパレルの場合は最新コーディネートや口コミ等を発信し、友人等とのコミュニケーションを通じて商品を購入するとともに、新たなユーザーへの導線を作り出す必要があるのです。最近はビジュアルに強いSNSサービスとしてアパレル商品と相性がいいInstagramを活用したキャンペーンや、着まわし・利用シーン訴求、あるいはユーザーの予算に合わせてコーディネートの提案を価格帯ごとに見せるような導線を設置する方法も有効です。
つまり、あらゆる手段を使って興味のある情報を届けないとユーザーはサイトに来ないのが現状なのです。
サイズの問題をいかに解決するかも重要
アパレルECの最大の問題点は、実店舗であれば、試着してサイズ感を確かめることができますが、ECサイトでは、なかなか自分のサイズ感を掴むことができません。そのため、新ブランド等は購入に踏み出せないユーザーが多かったのも事実です。しかし昨今はこの問題を解決する多くのソリューションが生まれています。
特に最近有名なのは、なんと言ってもZOZOスーツでしょう。このようにアパレルECのサイズ問題は、今後多種多様なソリューションアイテムの開発が進むのは間違いないので、年々解消に近づくと思われます。
また、Nike.comでは1回に限り「サイズやカラーの返品」を無料で行っており、NikeのECサイトで靴を買うと返品に必要な書類が梱包されています。ユーザーにサイズ感の不安を払拭する努力を行っており、とても満足度の高いサービスになっています。実は中小のアパレルECショップにこの手法は非常に有効です。送料負担や修理費用をユーザーにお願いすることになりますが、交換サービスやちょっとしたサイズ修理を対応するショップはユーザーの満足度や信頼度を獲得しやすく、リピーター獲得に対して大きな施策となっています。
まとめ
ファッション・アパレルECショップがユーザーへアプローチを図るために必要なのは、「狭く・濃く・深いコミュニケーションを取りながら、草の根でファンを増やしていくこと」です。スピーディに多大な利益を生み出すのは難しいかもしれませんが、顧客一人ひとりとのつながりは強固であり、口コミで輪が広がっていく効果も見込めます。SNSサービスをうまく活用して、マーケットを広げていくのが現在の主流です。
同時に顧客満足度を高めるサービスを展開してリピーター獲得戦略を行うことが必要不可欠なのです。