商品の魅力を伝えるために知っておきたい
商品撮影のコツ
公開日:2023年03月29日
更新日:2023年03月29日

商品に直接触れることのできないネットショップでは、商品写真は利用者にとって購入するかどうかを決めるための重要な情報源です。商品写真が魅力的なら購買欲はアップし、逆であればその気がダウンしてしまいます。
どうすれば商品の魅力を伝える写真を用意できるのか、商品撮影のコツをご紹介します。
商品撮影と普段の写真の違い
商品撮影と普段の写真撮影はまったく別物です。まずこの意識を持ちましょう。普段の写真は人物を撮るにしろ、風景や物を撮るにしろ、目の前にある光景を切り取って残すために撮ることが多いはずです。つまり、普段写真を撮るのは思い出を写真として残しておくためです。
一方、ネットショップで使用する商品撮影はもっと実利的です。商品に関する情報を正しく伝えること、商品の特徴や魅力を伝えること、商品に対して購入意欲を抱いてもらうことがその目的です。そのために商品の特性に合わせた最適な撮影の仕方を工夫する必要があります。
知っておきたい商品撮影のコツ
商品撮影では以下のポイントを意識しましょう。どれも基本的なことですが、これらのコツを知っているかどうかで写真の良し悪しは確実に変わります。
ライティング
商品撮影でまず大事なのはライティング(光の当て方)です。ピントは自動調節機能があればカメラに任せて合わせることができます。手ブレも補正機能や三脚を使えば解決します。しかしライティングは撮影者が工夫してセッティングしなければいけません。ライティングが適切でないと写真が暗くなる、不必要な影ができる、反射する、質感や色がきちんと表現できないといったことが起こります。
ライティングで十分な光量を得たい時、簡単なのは自然光(太陽の光)を利用することです。部屋の中での撮影でも、外からの光がよく入る場所で撮影することを心がけてください(直射日光は反射や影の原因になるのでNGです)。フラッシュやライトを使う時も影や反射に気をつけます。複数のライトを使ったり、レフ板を使用したりすると被写体に均一に光を当てることができます。影を抑えたい、優しい質感の写真にしたい時は光を抑えるディフューザーを使うのも有効です。
一つの商品に対し、さまざまなライティングでなるべくいろいろな写真を撮っておきましょう。商材によってはライトや白いボックスがセットになった、撮影ボックスといった商品撮影専用のキットを使ってみるのもいいかもしれません。
カメラと被写体との距離
商材にもよりますが、商品写真は全体がわかるカット、裏側や側面等別の面が見えるカット、一部を大きく見せるカット等を用意するのが基本です。引きの写真を撮る時は、あとで写真を正方形等にトリミングする場合もあるのでその分の余白を考えて撮影します。一部を拡大して見せる時は接写レンズを使って近づいて撮影します。なお、広角レンズは広い範囲を撮影できる代わりに画面周辺が歪むので商品写真には向きません。距離を変えた写真も多く撮ります。
商品の置き方
撮影時、商品の後ろには背景紙を置きます。背景が統一されることで、光の反射が均一になったり、商品の輪郭際立たせたり、する効果があります。白い紙や白い布を使うことが多く、写真を切り抜きで使いたい時は、薄いグレーの紙を使うこともあります。もしくは商品やネットショップのイメージに合った色を選択する方法もあります。
紙や布を壁にテープ等で貼り付けて背景にすることもできますが、背景を作るためのスタンドや布、クリップ等も販売されているのでそれらを利用しても良いでしょう。
商品は正面から写すのが正解とは限りません。少し角度をつけたほうが魅力的に見える商品もあります。撮影ではやはりアングルを変えて多くのバリエーションを押さえておきましょう。商品の置き方だけでなく、カメラも動かして撮影してください。
衣服等はモデルが着ているところをスタジオや戸外で撮影することもあります。ほかにも食器や雑貨を撮るのにテーブルを使ったり、花や小物を置いたり、クッションに沈み込ませるように商品を置いて、できたシワで立体感を演出したりといった工夫をする方法もあります。
食品や飲料については、パッケージそのものをメインの商品写真として使うのではなく、産地や製造過程の写真も意識し、商品そのものや、調理後のシズル感(食欲を刺激する感覚)のあるものや、食器にもこだわり盛り付けを美しく見せたり、商品のイメージに合った食卓を演出したもの等の工夫が必要となります。
まとめ
商品撮影は、商品を利用(消費)している場面や、大きさの目安がわかるよう対象物を置いたり等、販売する商品のジャンルや特徴によって撮影環境や方法が大きく変わりますので、雑誌や競合サイト、またその広告等を参考にしてどんな見せ方があるか研究してみてください。
商品写真を撮影する時のコツは、なるべくたくさん異なるパターンの写真を撮っておくことです。そうすればあとからサイトに載せるのに最適なカットを選ぶことができます。レタッチを駆使して魅力的な写真に仕上げるための素材も集まります。これらのテクニックを使い、購入者へ視覚的なアプローチをしてみましょう。