ネットショップが考えるべきCRMとは
公開日:2023年03月29日
更新日:2023年03月29日

CRMというマーケティング手法が注目されています。
とくにネットショップと親和性が高く、運用に成功すれば既存顧客による売上を最大化し、継続・安定したサイト運営が実現可能になると言われます。
今回はネットショップが考えるべきCRMについてご紹介します。
CRMとは
CRMとはCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係管理あるいは単に顧客管理と訳されます。
CRMは、かつての大量生産・大量消費時代のマスマーケティングではなく、顧客1人ひとりのニーズに応えるワントゥワンマーケティングやセグメントマーケティングの時代にマッチしたマーケティング手法の一つです。
CRMでは顧客情報や行動履歴を収集して分析することで、顧客ごとにきめ細かい対応や最適な提案を行い、顧客満足度と顧客ロイヤルティを向上させることによって、顧客との継続的で良好な関係を築いていきます。
ネットショップにおいては、購入者や会員登録者の属性、ネットショップ内での行動履歴等を収集、分析し、顧客に合わせたメールマガジンの発行やキャンペーンの展開等につなげるといった一連の流れを指します。
CRMは長期的な施策となり、繊細な業務項目も多いので、導入については早めの検討がおすすめです。
CRMのメリット
CRMはいわば顧客を囲い込むための施策です。リピート客、固定客を増やすことが目的であり、ネットショップ運営側の最も大きなメリットとなります。
またこうも言えます。CRMには顧客情報を蓄積し、可視化することが必須です。それらを一元管理し、いつでも各顧客の状況を把握・分析できるようにすることで、真の意味で顧客情報を効率的にビジネスに活用できるようになります。その結果、既存顧客からの売上を最大化します。つまり、顧客をネットショップ側が想定する優良顧客へ育成するためのマーケティングを継続的に行うことによって、固定的な売上を確保できるようになるというわけです。固定的な売上が見込め、確保していければ、安定した事業運営が行えるようになります。
ネットショップの店舗数増加、モール出店の無料化等もあり、新規顧客獲得競争は日々激化しています。そんな中、既存顧客のLTVを上げる施策がとても重要になってきているのです。
CRMの始め方
一般的にCRMは以下の順番で導入していきます。
既存顧客情報の可視化
まず既存顧客情報の可視化をします。LTV(顧客生涯価値)や購買傾向、購入回数ごとの離反率といった情報を整理して、顧客をリピート客、新規顧客、休眠顧客、離反顧客等に分類します。その中から優良顧客候補を抽出し、その属性、嗜好、志向等の傾向を分析します。
そこで初めて、新規顧客に対してはリピート客にするための施策、休眠顧客や離反顧客は引き戻しのための施策、新規・既存顧客を休眠・離反防止する施策等、分類した顧客ごとに最良なプランが立てやすくなります。
クロスセル施策へ拡張
上記の分析結果を踏まえて、購買データから次の商品を購入してもらうための効果的な販促方法を策定していきます。クロスセル、つまり関連する商品を購入してもらうためには、その顧客に対しどのようなアプローチが必要で、そのようなアフターフォローをしていけば良いかを考えます。
見込み顧客の販促へ拡張
さらに、見込み顧客に関してもデータを収集・分析し、その1人ひとりを優良顧客=LTVの高い顧客にする方法を考えます。
1人の見込み顧客を新規顧客からリピート客、さらに優良顧客へと育てていくことができれば、そのプロセスで培ったノウハウを、同じ商品を購入しようとしている別の見込み顧客に応用することもできます。CRMが一般的な顧客情報と異なるのは、蓄積する顧客情報量が多いこと、そしてデータを分析してビジネスに活用し、その結果をさらに顧客情報に紐付けることにより、効率的に新規顧客の確保から優良顧客化までといったプロセスに活かすことができます。
まとめ
CRMを有効に活用するには、まず商品に商品力があることが不可欠です。商品が十分な魅力を備えているならば、CRMによって継続的で安定的な売上確保が可能となります。とくにこれからのネットショップ運営においては、CRMを深く理解することが必要であり、そのメリットを活かした戦略の策定が求められるでしょう。