越境ECにおける物流の注意点

越境ECにおける物流の注意点

他国の購入者に安全・確実に商品を届けるには、海外向けの物流について認識し、知見を深めておくべきことが数多く存在します。

海外への配送パターンや各国の輸入規制など、越境ECにおける物流の注意ポイントについてまとめます。

越境ECの配送パターン

越境ECにおいて海外の購入者に商品を送る際、物流におけるその配送方法には次の3つのパターンがあります。

国内から海外の購入者へ直接配送

日本から海外の購入者へEMS(国際スピード郵便)などを利用して商品を個別発送するパターンです。相手国にもよりますが、直接配送は税関審査に時間がかかることがあり、購入者に届くまでに時間を要することが少なくありません。

海外配送サービスの物流拠点に配送

宅配便会社などが行っている海外配送サービスを利用するパターンです。宅配便会社が事業展開している国・地域であれば、国内配送とほとんど変わらない感覚でスムーズに商品の配送が可能です。

現地の物流拠点から配送

海外の現地に物流拠点があり、そこにあらかじめまとまった数の商品を輸送し在庫として保管して、商品の注文があったときにその物流拠点から配送するパターンです。中国政府が越境ECを推進するために設けている「保税区」が典型例です。中国国内より配送を行うため、日本から個別に配送しなくてすむ分、配送コストや配送時間が大幅に削減でき、在庫切れや返品に対応しやすいことが強みです。

転送サービス会社を利用して配送

海外への配送を行っている転送サービス会社を利用するのもひとつの方法です。購入者が転送サービスに登録をして利用するサービスなので、ネットショップ運営者の手間はほぼかかりません。越境ECの流通額に比例し、日本国内における転送サービス会社の数は増加傾向にあります。

越境EC物流において知っておくべきこと

越境ECにおける物流では以下のことに留意しましょう。

各国の輸入規制に対応する

日本国内への輸入に関して関税法や植物防疫法、家畜伝染病予防法、薬機法などの法律で持ち込むことが禁止・規制されている物があるように、各国にも輸入規制がかけられている商品があります。

たとえばアメリカの場合、牛肉はUSDA-FSIS(米国農務省-食品安全検査局)が認定する日本国内施設で生産された製品のみ輸入(日本からの輸出)が許可されています。牛肉以外の肉類、フルーツ、野菜なども条件によって輸入が許可されます。また食品、食器類、医薬品、化粧品、土や樹木、種子、木製品、アルコール飲料、電波・周波数に関する家電なども専門機関による許可が必要な物、申告書が必要な物などがあるので要注意です。

中国にも多くの輸入禁止品、制限品があります。生肉・牛肉加工品、りんご・梨以外の果物類、古着(中古衣料品)、給湯器、エアコン、テレビ、電話機、黒モーター(コンプレッサー)、密閉容器、プリント基板、光ケーブル、魚網などはすべて輸入禁止です。中国にはほかにも要注意品目とされている物などがあるので、事前に自社のECサイトで扱っている商品と照らし合わせて調べておきましょう。

海外向け物流サービスとの連携を検討する

ECモールに出店している事業者は、国内での配送もECモールの運営会社が提携している国内の配送会社・物流会社のサービスを利用することができますが越境ECも同様で、海外向けのサービスを行っている配送会社・物流会社を利用することができます。

また、独自ドメインのネットショップの場合でもコンスタントに一定量の出荷があれば、海外向け物流サービスを提供している会社と連携することが可能です。こうした会社との契約を結べば、自社で直接配送をするよりも作業を効率化できます。

適切なインボイスの発行をする

インボイスとは商品を送る際、税関への申告、検査などのために必要な書類です。送る先の国の輸入通関のときにも必要となります。必要となる書類の種類や数は国によって異なるため、その国の条件に適合した内容のインボイスを用意しましょう。

まとめ

越境ECでは扱っている商品や配送する国によって物流に関する諸対応を変えていかなければいけません。専門的な知識がない、乏しいという場合には越境ECビジネスを支援するコンサルティングサービス会社に相談してみるのも良い方法です。その際はターゲットとしている国の事情に通じている会社を選ぶようにしましょう。